豆はぱらぱらと四方八方散らばったけど、しばらくするとそれを啄みにハトやスズメが飛んできた。
「わあ、ハトさん!」
瑛太君は豆を投げるのも忘れてハトに触ろうと近づいたけど、当然ながらすぐに飛んで逃げられる。
「瑛太、触るよりそばで見ておけ。鳥は近づけば逃げるから、撒いたらじっと静かに待つんだ」
「ん~~」
ナギの言い方は難しいらしくて、瑛太君は理解できずにスズメを追いかけては逃げられてた。
「仕方ないやつだ」
そんな瑛太君を見たナギは、微苦笑を浮かべてた。
……やだ、初めて見るナギのあんな顔。
どうしよう……すごくドキドキする。
あたしの中にあるナギへの気持ちは、瑛太君と過ごす中でどんどん膨らんでく一方で。
幸せなのに、苦しくて切ない。
瑛太君だけじゃなくて、あたしにもそんな顔を向けて欲しい、温かく接して欲しい。
一時だけでもいいから。
そう願うのは、わがままなのかな?
でも、恋人までとは言わないけど、少しでも特別に見て欲しいよ。



