広島焼きはかなりボリュームがあって、もちろん瑛太君ひとりじゃ食べられない。
「瑛太、熱くて火傷するから、少しずつ取り分けるぞ」
「熱いのや!」
「わかってる」
フランクフルトのお店で余分に貰ってきたプラスチックのトレーに、ナギが小さく切った広島焼きを取り分けてる。
……本当に信じられない。
あのナギが、こんなにも子どもの世話をするなんて。
不満そうな顔もせず、文句も愚痴も言わずに、辛抱強く。
あたしは瑛太君を挟んでコンクリートの階段に並んで座ってたけど、ナギの仕草をぼうっと見てるだけで……なんだか心が温かくなって幸せに感じた。
……瑛太君が、あたしとナギの子どもだったらなあ。
そんな妄想をしかけて、慌てて頭をブンブンと振った。
……なに考えてんのよ、あたし!
そんな事あり得ないし!
可能性はそりゃ、ない訳じゃないけど……。
だけど……月一だし。
やっぱり、あり得ないよ。
あたしは思い浮かぶ色んな思いを振り払った。



