オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




結局、瑛太君の欲しがった広島焼きとフランクフルトとジュースを買う羽目になったし。


「ちょっとナギ、瑛太君がお腹壊したら可哀想でしょ!?」


あたしがひそひそとナギに抗議すれば、ヤツは涼しい顔でこう言った。


「おまえよりは考えてる、ミジンコアタマ。
何も全て食べさせなければいい事だろう。
子どもは欲求が満たされれば大人しくなる。
少量ずつ分け与えれば済む話だ」


「はいはい……わかりましたよ」


あたしがなに言ったって、ナギにかなうはずないんだよね。


ベビーカーを畳んだあたしは、サッサと歩いてくナギと瑛太君を慌てて追いかけた。





ナギが向かった先は、桜並木でも川の堤防沿いにある目立たない場所。


出店も途切れて桜もそれほど立派な木じゃないからか、たまに人通りがあるくらいで静かだった。


ナギは川岸の階段そばに瑛太君を座らせて、自分も横に座った。


あたしはあたふたと荷物を整理してたけど。


「杏子、早く来い」


意外にも、ナギがあたしに向かって声をかけてくれた。