「あのさ、ナギ君。ちょっと瑛太を散歩させてきてくんない?」
突然、ユリがナギに意外なお願い事をしてた。
「瑛太をそろそろ散歩させてる時間やけど、ウチ、ちょっと忙しいしさ。
こん中で手が空いてるのはナギ君だけだから、ちょっと頼むわ。
あ、なんならキャン連れてっていいよ」
「そうだね、キャン行ってきなよ。
きっといい練習になるよ」
……チカ、何の練習になるっての?
喉まで出かかった言葉を寸前で飲み込んだあたしは、瑛太君を任されたナギをチラリと見てみた。
ナギに子どもって扱えるのかな、と思いながら。
だけど、ナギは意外も意外な反応をしてた。
瑛太君の前にしゃがみ込むと目線を合わせ、微かに笑いながら話しかけてたから。
「瑛太と言うのか?俺は産土凪、お父さんの友だちだよ」
……は……
はひふへほ?
あたしは、目の前に起こった出来事が信じられませんでした。
だって、博君が小学生の時にココアをぶっかけたナギが。
子どもにあんなに優しそうな顔するなんて!?



