すると、まるでそれがわかったように、赤石はあたしを見て。
真剣な瞳が一瞬だけ、ふっと緩んだ。
……あれ?
あたしはその表情が、なぜか目に焼き付けられて。
心の奥に潜んでいた何かが、さわりと動いた気がした。
赤石の黒髪が、風に揺れて。
あたしは彼の瞳から目が逸らせない。
引き結ばれた視線を外したのは彼からで、再びビジネスを語る公的な顔に戻ってた。
胸がまた、ざわめいた。
あの顔、あの目……。
既視感?
まさか……それはあり得ないよ。
あたしは記憶力がいい方じゃないけど、それでもあんな人に関わった記憶は全然ないよ。
それにしても、いきなり一目惚れと言われても信じられない。
……だけど。
昔よりはマシになったとは言え、あんなに密着されても男性アレルギーが出なかった。
ナギは……ナギだけは体のどこに触れられても大丈夫だけど。
あたしはナギの目が気になってた。
まさか、問題のあれを見られてない……よね?



