《赦さずにおくものかぁ!我が無念を暴かれ、さらし者にされ……万の言葉でも言い表せぬほど口惜しや》
絹枝さんの黒髪がざわざわと揺らめき、意志ある生き物みたいに動き始めた。
「アプレクターじいちゃん!」
《おっけ~じゃ!任せなされ》
あたしの合図と同時にアプレクターじいちゃんはダッシュして、絹枝さんのアプレクターを絡めとって動きを封じた。
あたしも紅葉を介して、アプレクターじいちゃんに力を貸した。
そして、みんなが絹枝さんの前に集まった。
何ら恐れることなく。
「おばあちゃん、手作りの巾着袋ありがとう。
オレ、ずっと使わせてもらうよ。
ミクもリボンありがとうって喜んでる」
「ミャン」
博君とミクはそう語りかけた。
「おばあちゃん、ごめんなさい。ずっと気づいてあげられなくて……あたし、ずっと甘えてばかりだった。
自分が恥ずかしい。
でも、これからは我慢しなくていいんだよ。
あたしが全部聴くから……」
孫の涼花さんはそう謝った。



