オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

「どうしたらこんなにきれいにお花が咲くの?」


もう打ち解けたらしく、博君がじょうろを持ち手伝いながら訊いてた。


それはね……って静江おばあちゃんが答えるところで、あたしは2人の邪魔にならないようその場から離れた。


あの後の静江おばあちゃんの答えはいつも決まってた。


『それはね、お花にもお野菜にも生命(いのち)があるからだよ。
生き物と同じさぁ。
一生懸命に真心を込めて世話をすれば、ちゃんと応えてくれるから』


あたしは、静江おばあちゃんからいろんな大切なものを自然と学んだ。


静江おばあちゃんが教えてくれたから、雨上がりの朝に輝く水滴の美しさとか、道端に懸命に咲く雑草の花には気にも留めなかったと思う。


そう、雑草だって一生懸命に生きてるんだ。


だから、あたしだって大丈夫!


落ち込んだときや暗い気分になった時、あたしはそう考えたら不思議と落ち着けた。


世の中に生きてるのは人間だけじゃないもんね!

似て見える鳥や草木だって、1羽1本ずつ違う存在だから。