2人は手を取り合い、爆風と炎の中を走り抜けてく。
何度も火が吹き出し、燃え尽きた建物があちこちで崩れ落ち倒壊してく。
途中で何度も道が塞がれていて、迂回していった中で……。
2人はようやく目的地を見つけた。
「お嬢さま、もうすぐですわ!」
走りつづけた2人はホッとした表情を浮かべ、笑いあった……。
トキさんが突然、絹枝さんを突き飛ばした次の瞬間――
絹枝さんのすぐ側で、大きな爆音がした。
激しい轟音が耳をつんざき、熱い爆風が全身をチリチリと焼く。
それが収まった後、絹枝さんはふらふらと立ち上がったけれど。
「トキ……トキ~~~ッ!!!」
絹枝さんの叫びが響いた先にあったのは……
絹枝さんを守るため、身代わりに犠牲となったトキさんの変わり果てた姿だった。
……そして……
絹枝さんは家族や親しい人を全て失った。
身ごもったことが判った時、周りに猛反対されたけれど。
絹枝さんは強い意志で産み、たった1人で育てた。



