「奥さま、お嬢さま、行きますよ!!」
4人は頭に分厚い布で出来たものを被り、街中へ飛び出した。
街中から炎が見えて、黒い煙が立ちのぼってた。
何かのエンジン音が飛び交い、ひゅううと低い風なりに似た音が聴こえる度に、爆音がして新たな炎が上がる。
炎の熱がじりじりと体力を奪い、飛ぶ火の粉、黒い煙は容赦なく喉を焼く。
炎は形あるもの全てをなめ尽くし、全てを灰と化して壊してゆく。
「しっかり……間もなく防空壕でございますよ」
おばさんがそう言った刹那……
すぐ側で爆音が轟いた。
耳をつんざくような轟音と共に、おばさんと女性の上に――
炎に包まれた壁が崩れ落ちて、2人は下敷きとなった。
「お母さま……お母さまあああ~~っ!」
絹枝さんは直ぐに駆け寄ろうとしたけど、それを引き留めたのはあのトキさんだった。
「いけません、お嬢さま!!あの炎と障害物では、わたし達ではどうしようもございません!」



