《あなたは、人の業を受け入れた。己自身で自らを正しき道へ導いた。
それ故に、私達は力を貸しましょう。
紅葉に力を借りなさい。あなたの中にある力を、正しく導いて下さるでしょう。私達もバックアップします。恐れずに立ち向かいなさい》
黄金色に輝くイルカは、あたしにそう言った。
(はい、わかりました)
あたしはまた頷いて、両手で紅葉を包み込んだ。
紅葉はますます輝きを増し、秋の夕陽にも似た茜色の光で空間を満たしていった。
トクン、と鼓動が一瞬だけ強く鳴った。
それと同時に、かつて無いほど自分の中の力が解放され、広がりゆくのを全身で感じた。
――見えてきたのは、まったく知らない景色。
緑濃きそこの地の空気には確かに潮の香りが含まれてたし、潮騒も風に乗って微かに聴こえた。
空はぬけるように蒼くて、綿雲がくっきりと白く浮かび上がってて。
太陽の光は痛いくらいの強さでじりじりと肌を焼く。
今でいう南国のリゾート地に見えた。



