オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




あたしも……解るから。


好きな人の心には、もしかして他の女性がいるのかもしれない、と考えたら。


とてつもなく苦しくて、痛くて、悲しくて、寂しくて、虚しくて、遣りきれなかった。


そして……


自分の中にあった、ありとあらゆる醜い部分が噴き出した。


恨みつらみ、嫉妬、怒り、嘆き、猜疑心、不信感etc.。


想いが強いほど、それに比例してどす黒く醜い感情が自分の中に満ちてゆくのが解って。


こんな事はいけない、嫌だと思って理性で抑えようとしたところで、自分の心も感情もコントロール出来ずにどんどん深い闇に堕ち、引きずり込まれていったから。


あたしはナギのそばには居られたし、励ましてくれたみんなが居てくれたから少しは落ち着けた。


……けど。


絹枝さんは60年以上もたった独りきりで戦ってきた。


子どもや孫達の為に働きづめで、ずっと耐えてきた。


愛しい人の生死も解らずに、信じようとしながらも、まさか、自分ではなく他の女の元に……という猜疑心を、棄てきれなかった。