「あなたは、祖父をご存知なのですか?」
涼花さんが『ありす』にそう訊いた。
やっぱり姿も見えてるし、声も聴こえてるんだ。
何が原因か判然としないけど、アプレクターじいちゃんの事といい、いまは実際にアプレクターの力が増していて、確実な存在感がある。
普通の一般人にはきっと今、アプレクターが生身の人間と変わらない姿に見えるんだろうな。
《あなたはだあれ?忠司のお母さん?》
『ありす』はぱっちりとした青い瞳を瞬かせながら、はっきりと涼花さんに目を向けた。
一瞬涼花さんは呆気に取られたみたいだけど、直ぐに気を取り直したのか、『ありす』に向かってやんわりとした口調で答えた。
「私は“川村忠司”の孫の、川村涼花。川村忠司は私のお祖父ちゃんなの。あなたは?」
涼花さんの話を聴いた『ありす』は、明るかった表情が僅かに曇った。
カードを持った手を膝の上で震わせ、少し顔を俯かせて。
《そう……タダシの孫なのね。やっぱり……タダシは》
『ありす』の口調は僅かに震えたように聴こえた。



