誰もあたしには目もくれないし……。
楽しそうに海に入るみんなを見遣りながら、いじけたあたしは手で膝を抱え、右手の人差し指でのの字を描いた。
「ふぅ~~んだ……いいもんね~~あたしにはお馬ちゃんがいるもんね!ね、グレーちゃん!」
あたしはナギにさえ見たことがない極上の笑顔を浮かべ、芦毛馬に抱きつこうと両手を広げながら駆け寄った――
「ヴィッ!ヴィッ!!」
ぱっか~~ん☆
グレーちゃんは待ち受けてたと言わんばかりの絶妙なタイミングで、右側の後ろ肢であたしを蹴り上げてくれました。
かくして、グレーちゃんは他のお馬さん達と共に、近くの草場にサッサと移動しました。
………
最高どころか、最低の間違いではないでしょうかね?
ぬかるんだ地面と仲よくして草と土まみれになったあたしは、情けない想いで顔を上げた。
《やれやれ、せっかくの逢い引きが台無しじゃのう。服も泥だらけぞよ~》
アプレクターじいちゃんに教えて貰った通りに、あたしのアンサンブルはもはや泥だらけで見るに耐えなかった。



