午前9時。あたし達は約束通り、全員が正面玄関前に集まった。
絹枝さんは涼花さんと静江おばあちゃんに任せて、あたしはナギが出てくるのを1時間前からひたすら待ってた。
ナギが姿を見せたのは、8時55分。
以前と違う真っ白いシャツに、黒いズボンと革靴と革紐のペンダントっていうモノトーン調な出で立ち。
それでもやっぱり、心臓がおかしくなるくらいにカッコよくて。
隣には狩野さんが付き添ってたけど。
彼女はあたしに目配せすると、そのままナギの側から離れた。
……今日は
今日だけは
あたしはナギの隣に居ていいんだ。
あたしは俯いて涙を見られないように拭うと、遠慮なくナギに歩み寄った。
狩野さんの力のお陰か、ナギは一見普通の状態に見えたけど。
あたしには
イヤでも判った。
ナギの生命の源である
黄金色のアプレクターが
あと僅かしか
残ってない事が。
あたしは人目を憚らず、思わずナギのシャツをぎゅうっと握りしめた。



