嘘……
嘘だよね……?
「なら、またその時のような事は出来ないんですか?」
あたしは空っぽになりそうな頭をゴツンと叩き、一縷の望みを掛けて狩野さんに言ってみた。
だけど、狩野さんは黙って首を横に振るだけ。
「私が行ったのは、ひとりにつき一度しか出来ないの。
だから……もう手はないわ。
この世界のどんなに優れた薬や医療でも、彼の生命は留められない」
狩野さんの声は、最後の宣告に聴こえた。
……本当なんだ。
本当に、ナギは。
死んじゃうんだ。
洞窟のあの時みたいに
二度と動かなくなるんだ。
そして
今度そうなれば
二度と目覚めない。
あたしが茫然としていたからか、いつの間にか狩野さんが上がってた事も気付かなかった。
ただ……
「1日でも1時間でも大切になさい……後悔しないようにね」
狩野さんのその言葉だけが心に焼き付いて。
あたしは、全身の水分が抜けるかと思うほど泣く事しか出来なかった。



