オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




「違法すれすれの強引な手腕で会社を急成長させ、産土グループを一代で築き上げた。

曾祖母夫妻には時子という娘しか生まれなかったし、時子が産んだ子どもも女の子ばかり。

ナギは産土本家直系の男子としては、100年ぶりに生まれた嫡子なのよ。

だから、母親の麗子も産むだけは産んだけれど。
後は厄介者とばかりに乳母に押し付けてしまったの。

言葉を覚えたナギは、みんなの気を引きたくて盛んにアプレクターの話をしたわ。

でも、色欲物欲に溺れきり穢れた産土本家の者達には、もはやアプレクターを視るどころか存在を感じる力すら失っていて。
逆にナギはますます疎まれて悪魔憑き、鬼っ子呼ばわりされて。

自尊心の高かった母親である麗子は、自分が悪魔憑きの子の母親と噂されるのが我慢ならず、新しい愛人との生活の為にと息子の殺害を計った。

新しい愛人との間に必ず男子を産むという約束で、曾祖母夫妻も屋敷内の人間全てが黙認し、事件は産土本家の力でもみ消されたわ。

その時に一度死んだのよ、ナギは。
全てに絶望しながらね」