「……いい目をしてるわね」
狩野さんはあたしの目を見ながら、そう言った。
「はあ、確かに視力は左右共に2・0ですけど」
クスリ、と狩野さんは口元に小さな笑みを形作ってもお美しい。
う゛~~……
悔しいけど、やっぱりすごくキレイ。
「あなたは真実を見抜く目を持っているのね。
流石にナギが選んだ娘(コ)だわ」
「はへ……?」
あたしは自分でも気が抜けそうな位に、間の抜けた声を出しちゃった。
狩野さんは顔を上げると、周りの景色をぐるりと見渡した。
「渚さん……あなたはこの木々や草や花をどう思うかしら?」
「生きた生命ある存在でしょう。人間に一生があるように、草木も生きてますね。一生懸命に」
あたしは何の躊躇いもなく即答した。
きっとナギに逢うまで、そんな風に考えた事なんてなかった。
動物たちは可愛がったけど、花を愛でる位で特に気にすることはなくて。
でも、今は。
どんな存在も生命も、懸命に生きてるって知ったから。



