オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




狩野さんはアプレクターじいちゃんを光る剣で縫い止めて、あたしの方に向き直った。


「渚杏子さん……貴方は今でもナギを信じられるかしら?」


それは予想だにしなかった、唐突な質問で。


あたしは意味が解らなくてしばらくキョトンとしてたけど、お湯の中に滴が落ちた音でやっと思考が動き出した。


ナギを信じられるか?


今すぐ答えるのは難しいけど、狩野さんのただならぬ雰囲気からは逃げ道なんて用意されてないみたいに思えた。


あたしは、ナギとの出逢いから今までを思い出してみた。


本当に最悪だった出逢い。


ムカついた毒舌と性悪さ。


何にも教えてくれないのは、全てはナギなりの思い遣りだったこと。


何度となく助けてくれた事。


命さんとの婚約で、別れを決意したこと。


命がけでアプレクターを還らせた姿。


生けとし生けるものを慈しみ、大切にしてた事。


具合が悪くなっても、動物たちを助ける必死な姿。


ご飯を食べる時は大抵無表情だけど、時折見せた幸せそうな顔。