なかなかの適温。
思い切って全身で飛び込んでみたら、すごい飛沫が自分にも飛んで鼻で吸い込みそうになって。
噎せちゃった。
クスクスと小さな笑い声が聴こえて、自分の他に狩野さんが居たって思い出したら。
恥ずかしくて顔から火が吹き出そうだった。
「ごめんなさい!お湯がかかっちゃいました?」
あたしが慌てて謝ると、狩野さんは微笑みながら大丈夫よ、と仰いまして。
その美しさと妖艶さに、あたしも一瞬見とれちゃった。
なんで同じ女性なのに、あたしの潰れたような顔とあんなに違うんでしょうか?
おお、紙よ!
って、ここはトイレじゃないっつの!
あたしが虚しい独りツッコミをしてると、お湯を掻き分ける音がして、狩野さんがあたしの近くに来た。
《隙あらば!たあ~~っちじゃ……》
アプレクターじいちゃんの手が、お湯の表面から目にもとまらぬ速さで伸びてきたけど。
狩野さんは光る剣を素速くそれに向け、寸前で自分の胸を守った。
「すごい……」



