あたしはなるべく不自然な笑顔にならないように努めながら、いいですよと答えた。
温泉は玄関を出て薔薇園を抜け、少し自然に恵まれた中にある。
林と低木っていう天然の生け垣に囲まれてるから、安心して入れるし。
持ってきたランタンを木の枝に引っ掛け、灯り代わりにしながら服を脱ぎ捨てる。
あたしと狩野さんは道中一言も喋らなかった。
狩野さんはだんまりだったし、あたしもナギを独り占めしてる彼女には蟠りがあったから、敢えて場を盛り上げようとか考えなかった。
温泉は石で囲われてて、周りは天然石の石畳が敷かれてる。
あたしはブラウスを脱いでかごに入れてから、ハッと気がついて隅っこに行った。
チラリと見た狩野さんの肢体は、同性のあたしが見ても羨ましいを通り越して嫉妬すら忘れさせそうな見事さで。
美しいと形容するのが一番相応しいような気がした。
それに引き換え、あたしの体は。
落ち込みそうな気分を無理やり引き上げて、バスタオルで体を覆うと湯船に手を浸けてみた。



