オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




その瞬間、痛みや衝撃と共に、何故か目の奥に熱を帯びてきてた。


もう馴染んだけど、やっぱり厄介な感覚。

目から熱が全身に広がり、脈動と共に灼熱感が体の末端まで焦がすように暴れまわる。


それに呼応するように総ての細胞が活性化して、頭の中が冴え渡る。


その刹那――


あたしの心の目に、新たな光景が視えてきた。



そこは、今と同じ岬の光景。


今と同じように新緑が眩くて、澄み切った青い空と風が気持ちいい季節だった。


キラキラと太陽の光を受けて輝く波頭が綺麗な大海原も見えた。


でも……


なぜか、あたしは重苦しい気分に包まれた。


理由は解ってる。


目の前に居る人のせいだろうな、というのは。


視えたのは、紛れもなく成長した姿の忠司さん。


ナギに似ていてやっぱりすごく整った顔だちだけど、その目には深い悲しみの色が浮かんでた。


カーキー色の制服と、同じ色の黒いつばがある帽子。


歴史の授業で見た覚えがある。


これって、旧日本軍の制服じゃない!