オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




マモル君が解説してくれたお陰で、少しずつ見えてきた気がした。


あの少女は紛れもなく、忠司さんがイギリスに居た頃の親しいお友達。


だけど、何らかの事情で忠司さんは日本に帰らなきゃいけなくなったから、あの女の子は大切な本と薔薇を贈った。


そしてどうしてか「不思議の国のアリス」は、忠司さんから結婚前の絹枝さんに贈られた。


そんな思い出深い品を、伴侶になる人とはいえそう簡単に他人に贈れるものなのかな?


あたしはその辺りがどうにも腑に落ちなかった。


当時イギリス・アメリカと日本は戦争中で、英語は敵国語として使用を禁じられてたはず。


そんな危ない行為をなぜわざわざ忠司さんがしたのか。


マモル君に訊いてみたけど、博識な彼も解らないらしくて首を捻った。


「俺だったらそうそう他人にあげないけどな。
一生大切にするし、ましてや仮にも妻になる女性にそんな行動は取れないよ。
まあ考えられるならひとつの可能性しかないけど」


マモル君がなにかを言いかけたけど、すぐに口を噤んだ。