《おじいちゃん、着いてきてね!》
あたしが憤りながら言うと、アプレクターじいちゃんは返事の代わりか実体化を解いてあたしの影と同化した。
《おっけ~じゃ!
しかしながらのう……
杏子殿、あやつ今回は大丈夫そうじゃて。
わしらに害意ある存在が、あんな風に清らかに愛らしく笑えるかの?
あれでは無垢で無邪気な子どもそのものじゃ。
あと6年もすれば、わしが幾らでもタッチできる美人に成長出来そうじゃな!》
あたしは右足を軸にしてクルリと体を半回転させると、思いっきり体重と力を込めた蹴りを放った。
確かに、アプレクターじいちゃんの言うとおりだった。
『ありす』は馬を撫でたり草をあげたりと、ただ無邪気に遊び戯れる子どもそのもの。
あたし達が近づいても、こちらに目を向けるどころか気付きもしなかったみたいで。
太陽の光が似合う明るく快活な、愛らしい女の子。
そういう印象しか受けなかった。
だけど、その内にこちらに気付いた『ありす』は……
一頭の芦毛馬に話しかけながら、一緒に近付いてきた。



