スケベする隙を作る油断させるためだけに、アプレクターじいちゃんが冗談ぶっこいただけだと思ったのに。
……確かに。
芦毛の馬たちの中に、赤いワンピースと白いエプロンドレスを着た女の子らしい姿があった。
赤みがかったプロンドは風にたなびいていて。
それに、少しだけ圧迫感のあるこの感じ。
間違いないよ。
あの、2日前に会った『ありす』。
何でこんなところにいるの!?
あたしはせっかくの気分の良さが無くなって、ムカムカしてきた。
元々はあいつが出て来なきゃあ、ナギが大怪我をしたりする事もなかったんだから。
あたしは隣をチラリと見てみると、倒木に寄りかかった絹枝さんはうつらうつらと居眠りをしてた。
陽気がいいから、ついつい眠くなる。
その気持ちはよく解ったし、なるべくアプレクターやそれに近い物を見せる訳にはいかないから。
視えたり気配を感じれれば、が前提だけど。
用心に越した事はないからね。



