オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




何にも染まらない真っ直ぐな美しさがあって。


今のあたしには、相応しくなかった。


「ありがとう……」


そう言いながら、あたしはやっぱり受け取れない。


こんな嫌な気持ちのあたしには、今はどんな花も似合わない。


……花。


薔薇の花びら。


過去の記憶。


ハッと気付いたあたしは、博君猫に訊いてみた。


「その桜はどこで咲いてたの?」


「えっと……そこの海岸から突き出して見える岬だよ。
一本だけあって、何でか知らないけど青い葉っぱと一緒に花が咲いてたんだ。根本には薔薇の花もあったよ」


根本には薔薇の花?


どこか引っかかっる。


それに、ナギのドタバタで忘れてたけど、あたしは今仕事中なんだわ。


ナギのバカが酒池肉林で腑抜けてる分はあたしがしっかりしなきゃ!


あたしは博君猫にその桜まで案内してくれるように頼むと、急いで支度した。


お粥は静江おばあちゃんに頼んで。


マモル君と絹枝さんが着いてくるみたいだけど、別にいっか。