土鍋を載せたトレーをわざと音を立ててその前に置いたあたしは……
それ以上正視する勇気がなくて、その場から逃げ出した。
その次の日、狩野さんは平気な顔でまたお粥を頼んできたから。
あたしは乗り気じゃなかったけど、他のみんなもそれなりに忙しかったから、仕方なく引き受けて。
また、前の晩と同じ光景を見せつけられた。
今度は白昼堂々と。
前の晩は暗かったから、何かの間違いと考えて自分を留め置いてたけど。
太陽の光が眩い中で
何よりも鮮やかに目に焼き付けられた時……
あたしの中であった何かが
大きく砕け散ったような気がした。
とても
とても大切なものが――
そして、3日目の今日。
あたしはお昼ご飯の前に、狩野さんにお粥を頼まれた。
昨日から食欲が無くなってろくに眠れないあたしを心配したのか、静江おばあちゃんが代わりに作ると言ったけど。
狩野さんはそれをきっぱりと断り、絶対あたしでないとダメと指名してきた。



