怪我の痛みや自分が助かった安心感よりも
あたしは
ナギを失った
その現実に
涙が止まらなかった。
……ナギのバカ。
あたしがやっと
自分の本当の気持ちに気付けたのに
言えもしない内に、独りで逝っちゃうなんて。
ずるい……
ずるすぎるよ。
あたしのこの気持ちはどうしたらいいの?
大きな風穴が空いて冷たい風が吹き込んだみたいに、寂しいよ。
ナギがいない世界なんて
あたしには何の意味もない。
世界のすべての色が失われたみたいに
何もかもが空虚に感じられて。
あたし……
これからどうすればいいの?
もう
自分じゃ何にも考えられない。
考えたくない。
あたしは足を引きずりながら、ナギのそばに歩いていった。
「……ねえ、ナギ。
ずるいよ……勝手に死んじゃうなんて……
バカ……バカ!大バカ!!」
ナギの遺体にすがりついて、泣くことしか出来なかった。



