オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




しかも、あたしが敵わなかった黒い『ありす』をいとも易々と退けて。


笑顔も聖母みたいに綺麗で、声も清流みたいに美しくて。


命さんとは会っても深窓のお嬢様という印象しか持てなかったけど。


この女性(ひと)は……


大人の女性の魅力を全て兼ね備えた、絶世の美女。


しかも、ナギと同じかそれ以上の強さを持ってる。


こんな女性がいるなら、あたしが要らなくなるのも当たり前だったよね。


ナギが書庫で
『気付かぬ内に、帰れ』
って言った本当の意味が解ったよ。


ナギなりに気遣ってくれてたんだよね、あたしをクビにする傷つかない方法を。


……でも。


見ちゃったんだもん。


気付いちゃったんだもん。


この人には、何もかもかなわないんだって。


こんなにハッキリと現実を突きつけられたのに、あたしの気持ちは変わらないなんて……。


まるで、滑稽な道化師だよ。


ナギは死んだのに、まだ側にいたいなんて。

バカらしすぎて、自分でも呆れて笑っちゃうよ。