かつん、とこの修羅場に不似合いな軽快な音を立てたのは、踵が高いミュール。
その完璧な美貌は、薄闇でも輝くシルエット。
体の線にぴったりとフィットする、ノースリーブノーカラーのワンピースは大腿の半分も覆ってない短いスカート丈で、その美脚を惜しげもなく見せてるようにあたしには見えた。
あたしの目の前に現れたのは、あの栗毛の美人さんだった。
ナギと同じ光る剣を構えて、黒い『ありす』とあたしの間に立ちはだかってた。
あたしが問いかけようとした時、栗毛の美人さんは人差し指をあたしの唇に当てた。
「あなたは今までよくやったわ。後は私に任せなさい」
初めて聴いた声は、天女かと思う位に澄んで美しくて。
あたしが思わず聞きほれた瞬間、栗毛の美人さんは高く高く跳躍した。
あたしが目を見開いて瞬きする刹那、全てに決着は着いた。
栗毛の美人さんは黒い『ありす』の向かってきた髪の毛を空中で剣を一度横に薙いだだけで一刀両断し、そのまま本体に向かって突っ込む。



