オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




よかった、新しい傷はなくて。

もう遺体で動かないのに変だけど、あたしはこれ以上ナギの体が傷つくのを見たくなかったから。

あたし自身はいくら傷ついてもいいから。


ホッと息を着いて、ナギの体を抱きかかえようとしたら。


いきなりその体が空中に持ち上げられた。


よく見れば、またあの黒髪がナギに絡みついてる。


《わたくしの姿など……こうして愛しき人を留めおけば関係なきこと。
だが、口惜しや。
憎い恋敵に我が姿を暴かれ、その悔しさは万の言葉で言い表せぬ。
思い知らせてくれようぞ……!!》


ひゅんひゅん、と幾つもの髪の鞭があたしに向かってきた。


かわそうと動いても、あたしの体はさっきの怪我と今までの疲れで鈍くなってて。


髪が襲いかかってくるのが、まるでスローモーションみたいに見えた。


――だけど。


その髪の毛は全てあたしに触れる手前ですっぱりと切断されて、あたしはなんとか難を逃れた。