オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




「思う訳ないでしょうが!キモいウザいサムいの三拍子だわよ!
んな女なんか誰だって裸足で逃げ出すっての!
源氏物語でも読んでみなさいっての!
いつの時代だって嫉妬深い女は嫌われるんだからね!」


あたしはナギに勝手にしようとする『女』に噛みついた。


許せない!


いくらもう生命が失われていたとしても、ナギのキスは


……あたしの。


ぎゃあぎゃあ喚いたからか、黒い『ありす』は直前でぴたりと動きを止めて、あたしはホッと息をついた。


《邪魔する者は許さない》


黒い『ありす』の低く囁くような声が聴こえた次の瞬間。


ひゅうっと空を切る音がして、あたしの胸に熱さを伴った鋭い痛みが走った。


思わずそこに手をやれば、手のひらに感じたのはぬるりとした感触。

ずきんずきんと脈打つのに合わせて、そこから痛みが広がってゆく。

視線を落としてみれば、肩甲骨の近く辺りに一文字に切り裂かれた痕があって、そこから血が流れ出してた。

鋭利な刃物で鋭くすっぱりと斬られたみたいに。