今のあたしに出来ること。
そして、しなきゃいけないこと。
それは、産土探偵事務所の所員として、この依頼をきちんと成功に導くこと。
ナギが遺してくれた手掛かりもある。
あたしがもう一度さっきの言葉を繰り返すと、『ありす』は顔を上げてこちらを見た。
その表情からも雰囲気からも、もはや一片の邪気も悪意も感じられない。
『ありす』は……
泣きながら、ナギのもとに駆け寄ってきた。
あたしは一瞬警戒してナギを後ろに庇おうとしたけど。
『ありす』は本当に哀しみに暮れた様子で、泣きはらした目と鼻が真っ赤で、それはどうしても演技に見えなくて。
ナギにすがりついたまま、むせび泣く『ありす』を止める言葉なんて見つからなかった。
英語が得意じゃないって事もあるけど。
体を震わせながら号泣して何度も謝る『ありす』の姿に、胸を打たれて言葉が詰まったから。
本当は、とても素直な子だったんだ……。
今の謝りながら泣いている『ありす』が、本当の姿。
あたしはそう感じた。



