《かむぉん、ひあ~》
英語だと確かこんな感じだったよね?
あたしは思い切って言ってみた。
ここに来て……って。
許すつもりはないけれど、せめて話を聴いて手掛かりを掴みたい。
あたしと『ありす』は、もしかしたら似たような立場なのかもしれないから。
今は小綺麗な格好だけど、薔薇で視たヴィジョンでは少なくともお金持ちの娘さんには見えなかった。
当時の外国の国内事情は解んないけど、あんな風にあかぎれだらけの手や継ぎ接ぎの薄汚れた服を着てたなら、裕福な家じゃないはず。
あたしだってナギに会う前は、あたしのアルバイト代とお母さんの障害者年金だけで暮らしてたから家計が苦しくて、着る服はお母さんの娘時代のものだったりしたし。
冬場の水仕事ではお湯なんかもったいなくて使えなかったから、よくあかぎれや霜焼けも出来た。
そんなあたしは、ナギには似合わないと思う。
忠司さんだって良いところの息子さんだったみたいだし、もしかしたら『ありす』も同じ哀しみを抱いたのかも。



