その姿は
まるで、小さな子どものようで。
あたしも少しは怒りが鎮まって、ほんのちょっぴり哀れみを感じた。
《ねえ……泣かないで。あなたも忠司さんを想ってたんでしょう?
この人は忠司さんじゃないの。だけど……
同じような想いを抱いたあたしも解る。
人を好きになることがどんなに苦しくて辛いことか。
でも、だからこそ喜びもあった筈でしょう?
それを思い出して。
忠司さんだってあなたを嫌っていたなら、薔薇を受け取る筈はないだから。
そして、その薔薇を大切に育てるはずはない……そうでしょう?》
英語じゃないから、どこまで伝わったのか判らないけど。
少なくとも、忠司さんがあなたを憎からず想ってた事を伝えたくて。
あたしは一生懸命に『ありす』の心に訴えかけた。
解ってほしいと魂の底から願いながら。
同じ叶わぬ恋した女の子同士だから、きっと解ってくれると信じて。



