《Bake! help! help me!!》
『ありす』は心の中で悲痛な叫び声を上げてた。
……でも。
あたしは赦すつもりなど、ない。
いくら泣き叫ぼうが、謝ろうが。
ナギは還ってこないんだから。
あたしが睨む力を強くすれば、炎は更に勢いを増す。
その刹那――
《止めなさい!!》
鞭よりも厳しく鋭い声があたしの心を突き抜け、静電気のようなビリッとした痛みが全ての感覚を一瞬麻痺させた。
それと同時に、広がったあたしの意識は急速に戻って、自分という器に収まった。
すると……
『ありす』を燃やした炎は消えて、『ありす』はそのままその場に崩れ落ちた。
それから、意外な声が聞こえてきた。
しゃくりあげる泣き声。
全身を震わせ、肩を小刻みに揺らした『ありす』は……
確かに、涙を零してた。
《Pardon me……I'm sorry.》
『ありす』は、同じ言葉を何度も繰り返した。
何度も
何度も。



