《うふふ……逝っちゃった? 私と同じね》
すぐ耳元で声がした。
あたしは無意識の内にナギを抱きしめたまま、そっちを振り向いて睨みつける。
『ありす』が、笑ってた。
その笑みは、奇妙に歪んでいて。
まるで蛇みたいに口がつり上がって、目が三日月形に変化した。
《Welcome to heaven! Tadashi!!》
『ありす』はそう言って、ますます笑顔を歪ませ、まるで何かに祈るように両手を広げて天を仰ぐ。
《That Tadashi is mine!!》
英語は苦手だから、はっきり言えば解らない。
だけど、一言目は解った。
「何が天国……よ。ナギがいない世界なんて……あたしには地獄なのに……ふざけないでよ!!」
そう叫んだ刹那――
――ドクン…
目の奥が熱くなる。
熱が細胞の隅々まで行き渡り、痛みと痺れに似た感覚が神経を支配する。
暴れまわる熱に、あたしは身を委ねた。
いつもは不愉快なそれすら、今のあたしには心地いい。



