「やだ……やだよ!ナギ……目を開けて!!
いつもの調子であたしをバカにしてよ!
キノコアタマでも何でも呼んでいいから!
……止まらないよ……
やだ……誰か助けて!
あたしの命をあげてもいいから!ナギを助けて!!」
あたしは無我夢中で叫んでた。
博君の声が聴こえた時、あたしは天の助けだと思えた。
博君は黒猫のミクと合体して、博君猫の姿で洞窟の中に駆けつけてきた。
「オレはミクの嗅覚で、お姉ちゃん達の匂いを辿ってきたんだけど。
ココアお兄ちゃんが危ないよね!待ってて!!」
博君猫は一瞬で事態を悟ったのか、マモル君を急いで呼んでくると再び駆けだしていった。
マモル君がここに来たところで、ナギは助からないかもしれない。
でも、ほんの1パーセントの可能性があるなら。
あたしはナギが助かるよう、血まみれの彼を抱いて温もりを分けながら、祈ることしか出来なかった。
……神さま。
どうか、ナギを助けてください。
代わりにあたしの命をあげますから。



