オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




この岩でできた閉鎖的な空間ではちょっとした物音でも、反響し何倍にも増幅されて聴こえるから。

意識がハッキリしてからは、確かあたし自身が出した音と岩の落ちる音しか聴こえなかった気がしたから。


あたしの脳裏に、最悪な場面が浮かんだけど。

直ぐに頭を振って否定した。


「ナギがそう簡単に死んだりはしない!うん、大丈夫!」


あたしはわざと声に出して、強く強く自分に言い聞かせた。

でないと、ちょっとした事で崩れ落ちそうなほど、あたしの心は弱く脆くなってたと思う。


一応念には念を入れて、岩の隙間を調べてみることにした。


幸か不幸か足下にはナギが使ってたペンライトが転がってたから、あたしはそれを拾い上げて崩れ落ちた岩盤の山を照らしてみた。


高さはゆうに3メートルはありそうで、とても乗り越えられそうにない。

あたしはとりあえず這いつくばって、僅かな隙間からナギの姿を探してみた。


……そして、見つけた。


ナギのストライプ柄のシャツが、大きな岩の下からはみ出してるのを。