ゴツゴツとした形の岩はライトの光で奇妙な影を帯び、ナギがライトを動かせば、ゆらりと踊るように見える。
カビ臭いとは違うけど、何だか独特の匂いがする。
土のにおいに近いけど、もっと無機質な感じの。
洞窟の中にはあたしとナギの足音と、どこかで落ちる水音が重なり合っていつまでも木霊する。
その残響音はまた新しい音に含まれて、いつまでも途切れる事がなくて。
ナギのペンライト以外に灯りはないから、あたしは知らず知らずの内に早足になって、彼の後ろにぴったりとくっついた。
後ろから誰かが着いてくるような錯覚に陥ることも度々だった。
ナギはあたしが側に来ても、何にもいわない。
湿って滑りそうな岩床をどれだけ歩いたろう。
ナギが足を止めたのは、一番奥らしい行き止まりだった。
硬そうな岩盤があるだけで、特に何もなさそうに思えるけど……?
あたしが話しかけようとナギの横に踏み出した時、彼はしゃがんで床に手を着いた。



