止めさせたいけど、暴れる馬が怖くて近づけない。
芦毛馬はナギを振り落とそうとしてるのか、とにかくしっちゃかめっちゃかに体をくねらせ、前脚を持ち上げ、後ろ脚を跳ね上げる。
それでもナギは鬣にしがみついたまま、決して離れる事はなかった。
そんな攻防が何分か何十分か(時間の感覚が麻痺してた)続いた後に、芦毛馬は諦めたのか、ナギを背に乗せたまま大人しくなった。
「ふう……ヒヤヒヤしたな」
マモル君が大きな息を着いて、あたしもやっと安心した。
よかった。
ナギも馬も怪我がなくて。
ホッと胸をなで下ろした時、マモル君の声が聴こえたのとあたしの体が浮いたのはほぼ同時だった。
ふわりと浮遊感を感じた次の瞬間、柔らかい感触をお尻に感じて、それから凄まじい揺れがあたしの体に襲いかかってきた。
顎がガクガクとして、頭頂からお尻まで真っ直ぐにズンと衝撃が絶え間なく来る。
それはリズミカルに襲ってきたから何かと思えば。
あたしはいつの間にかナギと一緒にあの芦毛馬の背に乗って、揺られてた。



