ナギはあたしと一言も言葉を交わすことなく、さっさと早足で歩いていって。
話してるマモル君は全然平気そうだったけど、あたしは駆け足でなきゃ着いてけない。
まったく!
何が悲しくて、こんな天気のいい日にオシャレした女の子が草原でランニングなんかしなきゃいけないのよ!
あたしは何だか腹が立ってきた。
☆
30分は走ってバテバテになったあたしの目に、思いがけないものが飛び込んできた。
灌木を抜け湿地を通り過ぎた先には、海に近い草地が広がった草原。
そしてそこに居たのは、灰色っぽい色の馬たちだった。
「芦毛(あしげ)のサラブレッド……。なんでこんな場所に居るんだ?」
マモル君が不思議そうに言うから、あたしはサラブレッドって何?って訊いてみた。
馬なんてポニー以外よく知らないもんね。
「サラブレッドっていうのはね、競争馬用に生産されている馬の品種なんだ。
より速く走れるように体格やその他諸々の優秀な遺伝子だけを選び抜いて代々配合された、いわば完全なる血統の品種なんだよ」



