ましてや相手は外国人。
そういえば、あの景色はどこだったっけ?
地理か世界史の教科書に載ってた気もするけど、思い出せないし。
こんな場所にまでマジメに教材なんか持ってきてないし。
あの書斎の書架で探せばいいか。
……って、ナギがいるかもしれないじゃん。
それに、数千冊はありそうな本のひとつひとつを当たるのは大変だよ。
ナギに訊くのも癪だし、やっぱりここはマモル君辺りに訊くのが無難かな。
あたしは絹枝さんを促して、部屋に戻らせた。
午前中には湖辺りにピクニックに行くんだから、あんまり遅くなると良くないし。
……でも。
ナギは行くのかな?
あたしは気になって階段を降りて書斎を覗くと、ナギはまだ調べ物をしてた。
もう夜中の2時半を過ぎたのに……。
体は大丈夫なのかな?
「……何か用か、薔薇アタマ」
こっそり隠れて覗いてたつもりなのに、いきなりそんな風に声を掛けられるとは思わなかったから。
あたしは驚いて、思わずナギの視界範囲に姿を見せちゃった。



