あれ?
確かにヒアリングはダメなあたしだけど、時々聞き取れた単語があった。
「ありす」。
その単語は、何度も何度も会話に出てた。
みんなが気にしてた『ありす』の事かな?
あれやこれや考えているうちに、あたしの視界が揺れた。
……そこであたしに見えたのは、顔から下の女の子の姿だった。
赤みがかった金髪を左右に分けて三つ編みにしてる。
髪の長さは胸に来るか来ないかのラインで、髪を留めるのは赤い糸。
白いエプロンドレスに丸襟と丸袖の赤いワンピースを下に着てた。
靴は……
木で彫った木靴!?
童話で読んだ事はあるけど、実際(?)目の当たりにしたのは初めて。
素足に硬そうな木の靴……
足が痛くならないのかな?
それに、身なりはあまり裕福とはいえそうになかったし。
編んだ髪はところどころ痛んで輝きもくすんでるし、ほつれかかってて。
服は薄汚れてあちらこちらにシミや破れがあるし、色違いの当て布やカギ裂きを繕った跡もある。



