オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




薔薇園は玄関から少し離れた場所にあって、何ヶ所かに分かれてる。


それぞれ黄色い薔薇、赤い薔薇、ピンクの薔薇……と色違いにまとめられてるんだよね。


ここに来てから知ったけど、薔薇って一口に言っても色んな種類があるんだな~。


あたしの家はアパートだし、薔薇を世話したり贈ったり贈られたりなんて機会もそうなかったから、赤色かピンク色の薔薇しか見たことなかったけど。


蕾が開ききってないような幾重もの花びらが重なった種類もあれば、これが薔薇なのかと信じられない平べったいのもあるし。

大輪のものもあれば、ひっそりと咲く小ぶりな品種もあるし。

よくぞここまで、と思えるほどの種類の薔薇が咲き競ってた。


だけどそんな薔薇たちには見向きもせず、絹枝さんが向かったのは、別荘から少し離れた場所にある薔薇園。


そこにあった薔薇は真っ赤で重なった花びらが妖艶で、まさに薔薇の女王と言うに相応しい大輪の花。

あたしがよく見る種類の薔薇だった。

絹枝さんはその前座り込むと、薔薇を一輪摘んで顔に近づける。