何だかややこしい文字の分厚い本とか、専門的で難解そうな本とか、英語とは違う外国語の本まで目を通してたみたい。
あのナギでも、直ぐに何もかも解るわけじゃないんだ。
こうやって地道で気の遠くなる調査をして初めて判る事もあるんだね。
神さまじゃあるまいし、誰だって万能じゃない。
手伝おうかな。
あたしがそう思った時だった。
「トキったら、いい加減にしてちょうだい!私だけで薔薇を見に行きますわ!」
よほど頭にきたのか、絹枝さんがそう言いはなって離れようとしたから、あたしは慌てて体勢を立て直した。
「申し訳ありません!
そうですね、薔薇園に行きましょう」
そう言ったあたしは、絹枝さんをドアの外、廊下に連れ出してホッとした。
もしも今の絹枝さんとナギが会ったら、ややこしいコトになりそうな気がしたもんね。
忘れてたけど、あたしはナギに怒ってたんだわ。
あんな美人の恋人をこんな場所に連れてきて密会するなんて!
絹枝さんが見たらどうするの!



