なんだろう……
胸騒ぎがする。
だけど、今のあたしは絹枝さんの幼なじみで侍女のトキさん。
絹枝さんをほおって置くわけにはいかないから、意識を現実に戻してランタンを手前に翳し、絹枝さんが座れる椅子を探した。
確かこの書斎はソファーと椅子があったはず。
そう考えながらランタンを翳して室内を照らしていた最中……
あたしの心臓が一瞬飛び出しそうな程に、大きく高鳴った。
書斎の奥には本棚だけの書庫があって、書斎とは簡単な仕切りだけで区分けされてるんだけど。
そこには。
ランタンを足元に置いただけで、何かに読みふけってるナギが居て。
パラパラと捲っているだけかと思えば、次の本の1ページだけにジッと見入ってる時もあった。
時間が気になって腕時計を見れば、時計は午前1時38分をさしてた。
……こんな真夜中にまで。
ナギの足下には数十冊の本が積み上げられていて、遠目と薄暗さもあってよく見えなかったけど。



