オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




博君の泊まった部屋を通り過ぎようとしたとき、いきなり猫の鳴き声がしたから、ミクかなと思ってると。


「にゃお~~命さん……もっとボクを撫でてよ……命さんはいい匂いがするよぅ……みゃあ。
命さん……一緒……幸せ……」


……へ?


あたしは、何だか信じられない言葉を聴いた気がしましたが……。


気のせいでしょうか?


なんで博君の寝言で……


よりによって命さんの事が出てくるわけ!?


博君が命さんに会ったのは遠井家の庭で、しかも猫の姿で一度会ったっきりのはず……だよね?


あたしが覚えてる限りは。


なんだか聞いちゃいけないものを、バッチリはっきりと聴いちゃったような気がする。


そりゃああんな美人さんに撫でられれば、どんな男だって猫みたいにゴロにゃんとすり寄りたくなるかもしれないけど。


それにしたって。


やっぱり博君って、美人が好きなおませさんだったんだ。


あたしは呆れればいいのか、感心していいのやら。
なんだか分かんない奇妙な気分で、二階の廊下を通り抜けた。