朝ご飯は結局おにぎりとたくあんだけになったけど、その失敗談で盛り上がったりと愉しかった。
他の人が手伝ったと聴いても、それに関してナギはあたしに毒舌を喰らわせるどころか、一言も喋らなかった。
と言うか……
ナギは、あたしに関する総てを意識的にスルーしている。
それが、あたしにははっきりと確信できた。
そのくせ食事中に絹枝さんをお世話する涼花さんには、細やかな気配りを忘れずにいて。
今朝方だって水汲みに行く前に、あたしはその間の絹枝さんのお世話を涼花さんに頼んだのだけど。
そんな彼女とナギは楽しそうにお喋りしてたし。
だから余計にムカついて無視してたらか、ナギも一度もこっちを見ようともしないし。
上等じゃないの!
あくまでもシカト扱いてくれるつもりなら、こっちにだって考えがあるんだからね!
あたしは心底腹が立って、絶対にナギと口を聞いてやんない!
と強く決意した。
日中は部屋に閉じこもってるのか、昼食時以外にナギの姿を見ることはなかった。



