……疲れた……
体ももちろん疲れたけど、それよりも心が疲れたような気がして。
あたしが割り当てられた部屋は、絹枝さんのお隣の小部屋。
ご主人に仕えた使用人さんたちが控えの間として使っていたみたい。
こぢんまりとした三畳くらいの小さな部屋で、小窓がひとつとベット、テーブル、造りつけの棚がひとつあっただけ。
窓からは海なんか見えないけど、山や湖が見えて絵画みたいだからまあ気に入ったし。
床に寝ないだけでも良しとしなきゃね。
明日も朝から食事作りと洗濯があるし、絹枝さんの様子を見てから寝ようっと。
涼花さんは祖母は自分が看ますとかなり粘ったけど、結局はナギの強引かつ唯我独尊独断で、絹枝さんの面倒はあたしが看ることになったんだよね。
まあ、涼花さんもお疲れだろうから、あたしは別にかまわないんだけど。
お世話はお母さんの介護で慣れてるし。
それよりもあたしはナギに対して、言いようのない怒りを覚えてた。
あたしにあれやこれややらして忙しくさせた本当の理由は、あたしを遠ざけて女と逢うためだったとはね。



