随分と足場が悪いから一歩進むのにも慎重にならなきゃいけなくて気疲れする。
お茶は持ってきたミネラルウォーターを使い淹れて、掃除も水なしで何とかしお部屋も整えたけど。
やっぱり夕食ともなれば、絶対に水がいる。
だから、仕方なくあたしは桶を持って井戸を探したんだけど。
絹枝さんも涼花さんもその場所は知らないらしく、あたし1人で探さなきゃいけなくて。
荒れ地の藪を掻き分け、藪蚊に何カ所も刺されながらやっとこさ井戸を見つけ出した時。
時計では既に7時近くを指していた。
1時間はさ迷ってたのね……。
元来た道を戻れば確実だけど、それだとまた30分以上はかかりそう。
夜の帳で辺りは暗闇に沈み始めたとはいえ、白い外観の建築物は夕陽の残照でも十分にハッキリと見えたから。
あたしはそれを目標にして進み始めた。
それでも何年も人が踏み入っていないらしい藪はなかなか手強くて、1メートル進むのにも苦労する。
足元の石に足を取られて何度も転びそうになったし、泥や草で汚れた上に肌にも無数の傷がついた。



